2009年08月09日

健康志向と特定健康診断の実施などが臨床検査薬の需要拡大を後押しする

栄研化学(4549)
臨床検査薬の総合メーカー。便潜血検査用試薬や尿検査用試薬などの体外診断用医薬品の製造・販売が主力。特に、大腸がんの早期診断のための便潜血検査用試薬では、国内シェア5割を占める。

 また、検査の効率化を図るための自動分析装置やシステム、食品微生物検査用試薬、環境微生物検査用試薬、さらに各種検査に対応する検査用器具・器材製品といった産業関連製品も扱っている。

■健康ブームで臨床検査薬の需要が高まる

 健康ブームの盛り上がりに加えて、早期発見・早期治療のために08年4月からスタートした特定健康診断の影響もあり、足元の臨床検査薬需要は高まっている。

 7月27日に発表された2010年3月期の第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.7%増の69億2700万円、経常利益は同14.5%増の6億5600万円と増収増益を達成した。

 生化学的検査用試薬など売上げ減となった製品はあったものの、主力の免疫血清学的検査用試薬(便潜血検査用)が前期に引き続き堅調だったことなどが寄与。さらに、海外向けについても、便潜血検査用装置・試薬を中心に売上げが拡大した。

 また、98年に独自開発した遺伝子増幅技術「LAMP法」をベースにした、医療をはじめ食品や環境など幅広い分野向けの試薬キットや測定装置の製品開発も軌道に乗りつつある。

■検査薬の需要は世界的に高まりつつある

 通期の連結売上げは267億8000万円(前期比2.6%増)、経常利益は20億円(同1.5%減)と、売上高・経常利益ともに前期比でほぼ横ばいの予想。ただ、中国での生産比率を高めるなどコスト削減にも積極的に取り組んでおり、2011年3月期は増収増益が見込まれる。

 今後については、国の医療費抑制策や診療報酬の改定といった懸念材料はあるが、早期発見・早期治療を目的とした検査薬の需要拡大の傾向は続くと見られ、さらにグローバル展開の期待もある。中・小型の思惑材料株として注目しておきたい。

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チャート的には、08年10月の安値476円を底に反騰を開始。当面は、半値戻し水準の1100円近辺を狙う動きか。中・長期的には、3分の2戻しの1200円台奪回が目標値となる。700円を割れたら、ロスカットを検討したい。

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中国政府がソーラー・パネルを奨励。 太陽光発電セクターで注目の株は?

1.太陽光発電各社の決算が苦しいものになると予想されている
2.中国政府が太陽光発電奨励策を発表した
3.インリーとサンテック・パワーが比較的有利な立場にある

 8月に入り、中国の太陽光発電関連企業の決算発表が相次ぎますが、足元の太陽光発電業界の経営環境は、極めて厳しいものです

china

そのような状況下で、各社の決算における注目点は次の2点です。

(1)マージンがどのくらい圧迫されるか
(2)仕掛品在庫の評価損が計上されるか

 その理由は、ソーラー・パネルの原料であるポリシリコンの価格とソーラー・モジュールの価格がそれぞれ急落しているためです。

欧州の「ソーラー・ブーム」終えん
がもたらしたものは?
 ソーラー・パネルはこれまで、スペインとドイツが大きな市場でした。それは、両国政府がソーラー・パネルの奨励策を進めていたためです。

 しかし、スペインの住宅建設ラッシュが終えんしたこと、欧州全体が不況に陥ったこと、また、今年の冬の厳しい冷え込みでソーラー・パネルの設置が鈍ったことから、欧州が太陽光発電の「けん引役」の役割を果たせなくなりました。

 そして、スペイン、ドイツなど最大需要国におけるソーラー・ブームの終えんは、太陽光発電装置の価格急落をもたらしました。原料のポリシリコン価格は、高値の1キロ当たり400ドルから、現在では73ドルぐらいまで下落しています。

 ところが、ポリシリコンが極端に不足していた1昨年あたりに供給拡大のための先行投資が相次いで決定されたために、ポリシリコン価格が急落しているにもかかわらず、供給能力は現在もどんどん増え続けています。

 中国の四川省だけでも、2010年までに3万トンを超える供給能力の拡大が計画されています。

原料が安くなった分だけ、完成品であるソーラー・モジュールの価格も崩れています。昨年まで1ワットにつき4ドル程度だったモジュール価格は、現在では2.70ドルぐらいまで下落しています。

■長い目で見ると、価格下落は悪くないのだが…

 昨年、ポリシリコンが不足していたため、ソーラー・パネル各社は材料の確保に奔走しました。供給契約の大部分は、将来の買付数量こそ規定されているものの、価格についてはその時の「時価」という契約になっています。

 しかし、一部の在庫についてはすでに高値で仕入れてしまったため、その分の評価損が出ます。

 長い目で見ると、ソーラー・パネルの価格急落は悪いことばかりではありません。なぜなら、太陽光発電の製品価格が安くなると、それだけ需要が増える可能性があるためです。

 今のところ、太陽光発電のコストは他の発電方法に比べてまだまだ割高なので、価格下落がどのくらい需要を喚起するかについては未知数です。政府の奨励策や補助金が引き続き極めて重要だと思います。

■太陽光発電関連で、どの銘柄への投資がよいか?

 そのような中で、中国政府は最近、太陽光発電に対しての優遇策を発表しています。都市部において、ソーラー・パネル設置コストの半分を国が負担するという内容です。

 中国政府は、500メガワッツ程度のパネル設置を援助する考えです。ちなみに2008年の世界全体のソーラー・パネルの需要は5950メガワッツでした。

 ポリシリコンはケイ素が原料であり、これは地球上に多くある資源であるため、ポリシリコンの供給過剰は今後も続くと思われます。従って、LDKソーラー(ティッカー:LDK)のようなポリシリコンの業者ではなく、ソーラー・モジュールのメーカーの株を買ったほうがよいと思います。

 とりわけ、大手のインリー(ティッカー:YGE)とサンテック・パワー(ティッカー:STP)の2社は、事業規模の面、財務力の面で他のメーカーより優っているので、他の企業よりも不況下での適応力があると思います。
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この時期に電気自動車をお披露目した日産“お家の事情”

この時期に電気自動車をお披露目した日産“お家の事情”

 日産自動車は8月2日の日曜日、横浜市で新本社の竣工式を行い、その場で同社の期待を集める電気自動車「リーフ」(「葉」の意)のお披露目を行った。竣工式には、小泉純一郎元首相らの政治家が来賓として参加して、この場のお祭りムードをおおいに盛り上げた。

 だが、肝心のリーフの発売は、来年度の後半のことに過ぎない。なぜ、日産は、時期外れで、間延びする感を免れえないはずのリーフのお披露目を、あえて、このタイミングで強行したのだろうか。

 41年ぶりの創業の地・横浜市への復帰―。

 2004年6月の計画の発表以来の懸案だった本社移転プロジェクトを、ついに日産は実現した。横浜市西区のみなとみらい21地区に完成した新本社ビルは、地上22階、地下2階建ての威容を誇る。床面積は約80000平方メートルに及び、2800人の社員が勤務する巨大オフィス・ビルになるという。

 新本社ビルは、積極的な外気の活用、効率的な空調システムの採用、そして資源の再利用などに努めた結果、CO2の排出量が年間10200トンと東京・銀座の旧本社ビル(本館、新館の合計)に比べて3800トンの削減を達成したそうだ。

 2日に行われた竣工式には、小泉元首相だけでなく、松沢成文神奈川県知事、7月に辞意を表明し物議をかもしたとはいえ、まだ現役の中田宏横浜市長ら、地元を代表する政治家が勢揃いして、出席者たちを驚かせた。中でも、中田市長は、1933年の創業の地への帰還を果たしたことに「日産、お帰りなさい」と挨拶し、お祝いムードを盛り上げたらしい。

 そして、日産が、この竣工式のもうひとつのサプライズとして準備したのが、同社の大型戦略商品である電気自動車リーフのお披露目だった。

 リーフは、リチウムイオンバッテリーを搭載した量産電気自動車だ。1回の充電によって、実用に必要な160キロメートルの連続走行を可能にしたことが売り物だ。最高速度は時速140キロメートルに達する。国による手厚い補助が前提とはいえ、価格も「お求めやすい価格」を実現すると強調している。

 日産のカルロス・ゴーン社長は「エミッションが少ないのではない。エミッションがゼロとなるクルマだ。新しい時代に向けた最初の一歩である」と誇らしげに胸を張った。

新聞報道によると、日産の計画は強気そのものだ。同社は2010年度後半に、リーフを内外の市場に投入する計画だが、まず、初年度の目標生産台数を5万台と、先行する三菱自動車、富士重工業の実績を大幅に上回る水準に設定している。そのうえで、2012年度までに、さらに20万台まで引き上げて量産効果を追求する戦略を築いている。

 この野心的な計画に対し、惜しみのないリップサーブスをしたのが、竣工式に列席した小泉元首相だ。元首相は、「意外とスムーズで、静かでねぇ、スーッと。」と褒めちぎった。そのうえ、「きっと普及すると思う」とも付け加えた。

経営再建の切り札を欠く
ゴーン日産の危うさ
 4日までに出揃った最新の業績(2009年4〜6月期決算)に目を転じると、ゴーン社長の強気が裏付けられているように見えなくもない。

 というのは、依然として、世界経済が「100年に1度」と言われる経済危機から抜け出せないでいる中で、日産は116億円の営業黒字を確保したからだ。黒字組みは、日産のほか、ホンダ(251億円)、スズキ(68億円)をあわせた3社しかなかった。

 対照的に、“巨艦”トヨタ自動車は、1948億円のマイナスとほとんど2000億円近い営業赤字を計上した。他の3社をみても、三菱自動車(296億円の赤字)、マツダ(279億円の赤字)、富士重工業(196億円の赤字)とそろって営業赤字を抜け出せなかった。

 とはいえ、メディアや自動車業界関係者には、ゴーン日産の勇ましい計画に首を傾げる向きが少なくない。

 なぜならば、トヨタとホンダがすでにハイブリッド車という確固たるヒット商品を生み出して、経営再建の足掛かりを見出しつつあるのに対し、日産にはそういう切り札が見当たらないからだ。

 この危うさを最も鮮明に批判したのは、日頃から歯に衣を着せぬ論評を得意とする英フィナンシャル・タイムズ紙である。同紙は「日産は“大衆市場向け”リーフで電気自動車の未来を切り開く」と皮肉たっぷりのタイトルを付けた記事の中で、「日産リーフの道のりは、長いものになりそうだ。置かれた立場は、(破たんし、米政府主導で再建中の)ゼネラル・モーターズ(GM)にそっくりだ」と日産の戦略を酷評した。

その理由として、同紙は、唯一、ガソリン車の代替商品に成長しつつあるハイブリッド車の分野で、日産がGMと同様に「ライバルのトヨタとホンダに大きく水を開けられている」点を指摘した。実際のところ、その出遅れを埋めるため、日産が、トヨタのハイブリッドシステムを搭載したセダン「アルティマ」を米国で販売しているのは事実である。

 さらに言えば、ヒット商品を持たない日産の危うさが鮮明になる“事件”が、米国の新車販売市場で7月に起きた。

 同市場はこの月、7ヵ月ぶりながら、年換算で1000万台ペースの販売を回復した。全体にやや明るさが出てきたのである。ところが、この傾向に反して、1−7月合計の各社別シェアで、日産は韓国のヒュンダイに抜かれる不本意な結果に終わった。

 かつては、トヨタと2社で米市場を席巻する勢いのあった日産だが、退潮は隠しようがない。以前にホンダに抜かれて置き去りにされたのに続き、この1−7月は韓国メーカーにまで抜かれてしまったのである。残念だが、ライバルと違い、米市場全体の回復傾向をとらえるのに必要な魅力的なヒット商品を持っていないことの弱みが歴然になっている。

リーフ開発で融資を受け
計画は順調と誇示する必要も
 一方で、リーフのお披露目については、退潮傾向の中にあっても、「日産には順調に開発が進めていると内外に印象付ける必要があった」(銀行系証券のアナリスト)と指摘する向きもある。

 どういうことかというと、リーフがハイブリッド車と異なる最大の特色は、「ゼロ・エミション」(CO2の排出ゼロ)という点にあるが、日産には、その開発・生産などの名目で日米欧の政府・公的機関から公的な支援を受けてきた事情があるからだ。

 その公的支援の例をあげると、日産は今年6月、米エネルギー省から16億ドル(約1540億円)の低利融資を受けたことを公表している。このほか、7月には、ルノーとのアライアンスで、イギリス、ポルトガルの両政府から財政支援の約束を取り付けたことも発表した。

これらはいずれも、リーフやリーフのために開発されたリチウムイオン電池の製造工場の建設が支援の対象だ。こうした背景があるからこそ、日産はリーフの開発・投入計画が順調に進んでいると誇示しなければならなかったというのである。

 だが、最後に技術的な側面をみると、リーフがまだ多くの解決しなければならない問題を抱えていることに驚かされる。

 第一は、価格の問題だ。前述のように、日産はリーフを「お求めやすい価格」で販売すると強調している。しかし、爆発的な人気を博しているトヨタのプリウスは205万円。ホンダのインサイトに至っては、185万円というリーズナブルな価格である。日産が、リーフの価格を、これらのハイブリッド車並みに抑えるのは、「ほとんど困難だろう」(自動車業界関係者)。

 というのは、すでにゼロエミッション型の電気自動車を商品化している三菱のi-MiEV が459万9000円、富士重のステラが472万5000円と「お求めやすい価格」を実現できていないからである。2009年度については、国からi-MiEVに139万円の補助金が付くうえ、独自に補助金を交付する自治体もあり、かろうじてハイブリッド車に対抗しているのが実情だ。しかも、この2つの電気自動車は軽自動車がベースなのに対し、リーフは標準サイズの小型車である。低価格の設定は、容易なことではない。

 さらに、160キロメートルという航続距離にも不安が残る。というのは、こうした数値は、発電しながら走行できるガソリン車やハイブリッド車と違い、リーフの場合、現実味のないカタログ数値になる懸念があるからだ。

 換言すれば、「エアコンやヘッドライトなどを使用した途端、航続距離が激減するのは必至」(同)というのが実態という。この点では、トヨタ―パナソニック(三洋電機を買収)や、ホンダ―ジーエス・ユアサバッテリーといった組み合わせに比べて、日産―NEC連合の実力が未知数という問題も付き纏う。

 縷々述べてきたように、日産は、1年半も先の話であるリーフの投入を今から前広に宣伝せざるを得ない立場にある。ところが、その宣伝通りのスペックを持つ車を商品化するには、残された時間は必ずしも十分と言えない。

 就任以来、「目先の収益やバランスシートのリストラに重心を置き過ぎている。研究開発や投資を軽視しているのではないか」との視線を向けられてきたゴーン社長。その鼎の軽重が今こそ、問われているのかもしれない。
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