臨床検査薬の総合メーカー。便潜血検査用試薬や尿検査用試薬などの体外診断用医薬品の製造・販売が主力。特に、大腸がんの早期診断のための便潜血検査用試薬では、国内シェア5割を占める。
また、検査の効率化を図るための自動分析装置やシステム、食品微生物検査用試薬、環境微生物検査用試薬、さらに各種検査に対応する検査用器具・器材製品といった産業関連製品も扱っている。
■健康ブームで臨床検査薬の需要が高まる
健康ブームの盛り上がりに加えて、早期発見・早期治療のために08年4月からスタートした特定健康診断の影響もあり、足元の臨床検査薬需要は高まっている。
7月27日に発表された2010年3月期の第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.7%増の69億2700万円、経常利益は同14.5%増の6億5600万円と増収増益を達成した。
生化学的検査用試薬など売上げ減となった製品はあったものの、主力の免疫血清学的検査用試薬(便潜血検査用)が前期に引き続き堅調だったことなどが寄与。さらに、海外向けについても、便潜血検査用装置・試薬を中心に売上げが拡大した。
また、98年に独自開発した遺伝子増幅技術「LAMP法」をベースにした、医療をはじめ食品や環境など幅広い分野向けの試薬キットや測定装置の製品開発も軌道に乗りつつある。
■検査薬の需要は世界的に高まりつつある
通期の連結売上げは267億8000万円(前期比2.6%増)、経常利益は20億円(同1.5%減)と、売上高・経常利益ともに前期比でほぼ横ばいの予想。ただ、中国での生産比率を高めるなどコスト削減にも積極的に取り組んでおり、2011年3月期は増収増益が見込まれる。
今後については、国の医療費抑制策や診療報酬の改定といった懸念材料はあるが、早期発見・早期治療を目的とした検査薬の需要拡大の傾向は続くと見られ、さらにグローバル展開の期待もある。中・小型の思惑材料株として注目しておきたい。

チャート的には、08年10月の安値476円を底に反騰を開始。当面は、半値戻し水準の1100円近辺を狙う動きか。中・長期的には、3分の2戻しの1200円台奪回が目標値となる。700円を割れたら、ロスカットを検討したい。